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祖国復帰闘争碑 「全国のそして全世界の友人へ贈る」
吹き渡る風の音に、耳を傾けよ。権力に抗し、復帰をなし遂げた、大衆の乾杯の声だ。打ち寄せる、波濤の響きを聞け。
戦争を拒み平和と人間解放を闘う大衆の雄叫びだ。
“鉄の暴風”やみ平和のおとずれを信じた沖縄県民は、米軍占領に引き続き、1952年4月28日、サンフランシスコ「平和」条約第三条により、屈辱的な米国支配の鉄鎖に繋がれた。米国の支配は傲慢で、県民の自由と人権を蹂躙した。祖国日本は海の彼方に遠く、沖縄県民の声は空しく消えた。われわれの闘いは、蟷螂の斧に擬された。
しかし独立と平和を闘う世界の人々との連帯であることを信じ、全国民に呼びかけ、全世界の人々に訴えた。
見よ、平和にたたずまう宜名真の里から、27度線を断つ小舟は船出し、舷々相寄り勝利を誓う大海上大会に発展したのだ。今踏まえている、土こそ、辺土区民の真心によって成る沖天の大焚火の大地なのだ。1972年5月15日、沖縄の祖国復帰は実現した。しかし県民の平和への願いは叶えられず、日米国家権力の恣意のまま、軍事強化に逆用された。
しかるが故に、この碑は、喜びを表明するためにあるのでもなく、ましてや勝利を記念するためにあるのでもない。
闘いをふり返り、大衆が信じ合い、自らの力を確め合い、決意を新たにし合うためにこそあり、人類が永遠に生存し、生きとし生けるものが自然の攝理の下に、生きながらえ得るために、警鐘を鳴らさんとしてある。
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