地元学とは、郷土史みたいにただ調べるだけでなく、地元の人が主体になって、地 元を客観的に、よその人の視点や助言を得ながら、地元のことを知り、地域の個性を 自覚することを第一歩に、外からのいやおうのない変化を受け止めまたは内発的に地 域の個性に照らし合わせたり、自問自答しながら考え地域独自の生活(文化)を日常 的に創りあげていく知的創造行為だということである。
海山川があり農山漁村に町のある水俣を調べて気づかされたことが、自然(海べり 、マチ、野、山、丘など)と社会(農山漁村にマチ、あるいは開拓などの社会別)を 組み合わせて、生命基盤である自然環境にどう暮らしているのか、自然と社会のパタ ーン、共生社会別に地域のあり方を探ることが環境の時代の地域づくりには求められ ていると思う。
水俣では農山村も米づくり地帯と畑作地帯、開拓では違うので6パターンであるが 自然と社会のパターン別に地元を把握していきたいと考えている。
更に地形で、島や川の流域、更に盆地などの大きなひと塊で捕らえる場合と、川の 支流域に点在する小さな集落で把握する場合に分かれる。
考えてみると、市町村という行政区域は記号であり、どんな地域かを説明できない 。共同体の単位ではあるが、川の流域や盆地、島などの自然地形には対応していない 。
分かりやすく、地元は生命体だとして考えてみたい。気づくことは、どんな生き物 か?地域の個性(地理と歴史)は何か?どんな自然(生命基盤)にどう暮らしている のか?である。と共に、どんな意思を持ってどこへ動いているのかである。どのよう に、どこへ行こうとしているのか?どのようにありたいのか?何をするのか?という 疑問がわいてくる。地元の地元による地元のための自問自答の在りようが問われてい ると思う。