特集:震災ボランティアからの市民セクター 1章:震災ボランティアからネットワークを考える
電子ネットワークを活用した情報ボランティア活動
−インターネットとパソコン通信−
今瀬政司
ワールドNGOネットワーク(WNN)事務局長(執筆当時)
特定非営利活動法人市民活動情報センター代表理事(現在)
*市民活動情報センターは、ワールドNGOネットワーク(1995年2月設立)のメンバーが
その活動を発展的に引き継いで、1995年8月に設立した団体です。
「地域開発」誌 1995年5月号 掲載 【 禁無断転載 】
財団法人 日本地域開発センター 〒100 東京都千代田区内幸町2−1−1 飯野ビル TEL:03−3501−6856
はじめに
/情報ボランティア
/WNN
/電子ネットワーク利用
/基礎知識
■電子ネットワークの基礎知識■
- □パソコン通信ネットとは
- ホストコンピューター(運営主体)があり、そこを経由してサービスが受け
られる会員制の(ある意味で閉鎖的な)ネットワーク。
- □インターネットとは
- 米国で戦争や大災害に強いということで発達したもので、全世界に140カ
国、5,000万人(3月現在)とも言われるユーザーがつながっている世界最大
のコンピュータ・ネットワーク。多くのローカル・エリア・ネットワーク
(LAN)をつなぐ「ネットワークのネットワーク」だ。主な有効性は、オン
ライン上のどこかにあらゆる専門的知識を持った人やグループがおり、相談を
投げかければ、どこかから誰かが答えを投げ返してくれることや、同時に何人
とでも交信(送受信)できることなど。
- □インターネットの主な機能とその生かし方
- ・電子メールとメーリング・リスト(ML)
- 電子メールは、その名の通り電子ネットワーク上の手紙。
メーリング・リストは、あるアドレスへ電子メールを出すとメーリング・リ
スト参加者全員へそのメールが送付されるというもの。市民団体のメンバー間
で日常的な会議環境を持つことができ、仕事を持つボランティアにとっては活
動時間を調整でき有効だ。特定の団体間限定の会議手段ともなる。
- ・NetNews
- 全世界のユーザーとつながり、広く誰もが参加できるオープンな電子掲示
板。自分の意見を掲示板に電子的に投稿・登録し、それを見た様々な人がそれ
に対して答えを返したり、さらに意見を述べながら、議論を進めることができ
る。話題の種類ごとに異なる掲示板(ニュースグループ)が用意され、情報が
整理されている。これを基に、各分野のキーワード情報検索もできる。
- ・World Wide Web(WWW)
- 全世界につながるコンピュータ・ネットワークをあたかも1台のコンピュー
タのように扱える利用形態の一つで、文章・画像・音声などのデータを自由に
扱えるもの。設備さえ整えれば、コンピュータの専門的知識がなくとも、マウ
スを動かし、ボタンを押すだけで直感的に操作ができる。市民団体にとって低
コストでマス広報活動や情報収集活動ができる機能として有効である。
- ・CU-SeeMe
- CU-SeeMe(簡易テレビ会議用にCornell大学で開発された安価ソフ
ト)とQuickCamという簡易ビデオカメラ(直径わずか4cm、値段100米ド
ル)の併用により、最近では非常に簡単かつ安価にテレビ会議ができるように
なっている。市民レベルでの電子シンポジウムも低コストででき、民間団体の
会議や小規模国際会議等での利用も今後活発になるものと思われる。
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(C) Copyright 今瀬政司(市民活動情報センター(SIC)), 1995年 e-mail:sic@mxa.mesh.ne.jp