NPO政策研究所の概要 <1998.2.12.現在>

(1999.10.5.現在のものはこちら)


設立趣旨

 我が国はいま、混迷と閉塞感が漂う不透明な世紀末を迎えている。戦後50年が築き上げた多くの制度やシステムは疲労の極みに達し、規制緩和、行政改革、財政改革、地方分権の推進等が本格化しつつある。

 しかし、改革によってどういった国家や社会を構築しようとしているのか・・・・。来るべき21世紀の日本の姿や心が、改革をリードする政府や政党からは明らかにされていない。この閉塞感や不安感は、詰まるところ、改革の行き着く先が明らかでないところにその原因があるのではないだろうか。

 この改革の時代に求められているのは、これからの社会や国家のあり方、その礎であるコミュニティーの再生に対するビジョンや政策を多種多様な主体が提案するとともに、論争の渦を巻き起こすことである。そしてこの様な地域に根ざした改革への多彩な取り組みが、遼原の火の如く全国に広がっていく状況をつくり出すことであろう。

 ところで21世紀の高齢・少子社会は、行財政をいま以上に逼迫させることは目にみえている。また、国際社会における応分の責任の分担が求められる一方で、産業の空洞化が深刻さを増し税収の不足を招いている。膨大な国と自治体の借金を後世代国民の税負担で賄うことにも自ずと限界がある。そのうえ行政のリストラが避けられないとなれば、公共財・サービスの量的確保はもちろんのこと、その画一化や質の低下は必然となって社会的弱者はいうまでもなく、国民全体の生活基盤の崩壊に結びつかざるをえない。

 結局のところ、社会の基層部分で市民・NPO(民間非営利組織)・企業等の民と行政との最適な役割分担や協働で、21世紀の日本社会を支えるしか解決の道はないのであろう。つまりこれは、これまでの行政主導の政策の立案・形成・実施という公共政策そのもののあり方、また公共財・サービスの供給のあり方をも根本的に改革する必要に迫られているといえる。もっと根源的にいえば、従来の公私・官民概念の改革が求められているのである。公とは即ち国家・行政であるという日本人に根強いお上依存意識に支配された公共概念の再検討、またその裏返しとしての行政の公的世界の独占からの脱却である。つまり、従来の公共概念に変わるこれからの時代にふさわしい多様な公共性概念や、ふくよかな公的世界の創造が強く求められているといえる。

 NPO政策研究所は以上の問題意識のもとに、これからの時代にふさわしい政治と行政のあり方、また公的活動における行政とNPOの協働のあり方、企業の社会貢献活動との連携を踏まえたNPOセクターの発展・強化のあり方、NPO活動と連動する自治体改革のための、コミュニティーレベルにおける政策研究や政策実現等に挑戦したいと考えている。−設立1997年5月30日−


設立の目的

本研究所は、NPOやNPOセクター発展・強化のためのNPOに関わる政策の研究、及びNPO活動と連動する公共政策の研究と実現を目的とする。


事業の基本方針


事業内容

1)調査研究事業

●NPOと行政−地方自治体における行財政改革や、地方分権の推進と連動するNPO政策の研究
・NPOと行政とのパートナーシップ、協働のあり方
・ボランティアセンター、NPO支援センターのあり方
・市民参加制度のあり方
・公共財・サービスの供給のあり方
・公共政策の立案・形成・実施・評価のあり方
・NPOの支援策について
・市民自治システムのあり方
・コミュニティー再生の方策に関する研究
・その他

●NPOと企業−企業の社会貢献活動との連携を踏まえたNPOセクターの発展・強化に関する研究
・企業の社会的責任や社会貢献活動の理念や目的について
・NPOと企業との連携・協働のあり方
・NPO支援センターと企業の関わり
・ベンチャービジネスとNPO活動
・その他

●NPOの資金−NPO活動を強化するための資金供給システムに関する研究
・寄付金流通システムについて
・NPOベンチャーキャピタルシステムについて
・寄付税制の改革
・その他

●その他の研究テーマ
・これからの社会における公的・公共性概念の研究
・これからの社会ビジョン・国家ビジョンの策定
・その他

2)情報のデーターベース化事業

・NPOの政策ニーズの収集と整理
・市民参加制度、NPO支援制度、NPOと行政との協働システム等に関する情報の収集と整理
・行財政改革等に関する情報の収集と整理
・企業の社会貢献活動や、NPOと企業との協働に関する情報の収集と整理
・その他目的にそった情報の収集と整理

3)シンポジウム等の開催

 研究活動の発表・公開を兼ねたシンポジウム、フォーラム等の開催。

4)その他目的にそった事業


会員


役員等

代表幹事 木原勝彬(社団法人奈良まちづくりセンター前理事長)
常任幹事 芦田英機(豊中市政策推進部次長・まちづくり支援室長)
     今田 忠(阪神・淡路コミュニティー基金代表)
     吉川 淳(大阪学院大学教授)
     脇本祐一(日本経済新聞編集委員)
幹事   阿部圭宏(財団法人淡海文化振興財団事務局調査員)
     荒川俊雄(寝屋川市ごみ減量推進課課長)
     今瀬政司(市民活動情報センター代表)
     尾崎 力(株式会社関西マガジンセンター代表取締役)
     竹中ナミ(プロップ・ステーション代表)
     藤井絢子(滋賀県環境生活協同組合理事長)
     藤野正文(社団法人奈良まちづくりセンター副理事長)
事務局長 木原勝彬
監事   三木秀夫(弁護士・大阪NPOセンター監事)

相談役  堀井良殷(財団法人大阪21世紀協会専務理事)
     和田亮介(和田哲株式会社代表取締役)


事務局

〒630-8444 奈良市今市町804
TEL/FAX 0742-61-9969
Eメール:mailto:bm7k-khr@asahi-net.or.jp

 

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編集協力:市民活動情報センター(SIC)