NPO法案関連情報!

*以下の情報は、「シーズ=市民活動を支える制度をつくる会 C's」さんの情報であり、
「市民活動情報センター(SIC)」 が、“代行”発信しているものです。
<注>当情報の転載につきましては、必ず、シーズさんの了解を頂くようにして下さい。


シーズ・ニュースレター

「号外:臨時国会特別号」

1997年10月6日発行
発行人:松原明
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
〒102 東京都千代田区飯田橋4-4-5-501
TEL:03-5210-3526 FAX:03-5210-2047


国会の動き

成立が危ぶまれる「市民活動促進法案」

 いよいよ秋の臨時国会が始まった。この国会では、先の通常国会で衆議院を通過したが、参議院で継続審議となっている「市民活動促進(NPO)法案」が審議される予定となっている。
 早期の成立に対して、市民活動団体、自治体、市民などから熱い期待が寄せられているが、まだ成立できるかどうか予断を許さない厳しい状況が続いている。
 国会の最新情報を報告する。

◆継続審議となっている「市民活動促進(NPO)法案」

 先の通常国会では、与党3党、新進党、共産党がそれぞれ独自のNPO法案を提案。
 また、民主党が与党3党案への修正案を提案し、その行方が注目された。
 しかし、沖縄の特別措置法で政局が不安定になったこと、与党3党と民主党との協議が時間がかかったこと、新進党が終盤になって審議入りを拒否したことなどが原因で、審議に入れたのは、通常国会終了までわずか20日を残した5月28日だった。
 審議では、与党3党が民主党の提案を受け入れる形で共同修正を行った「市民活動促進(NPO)法案」が賛成多数で衆議院の内閣委員会で可決され、6月6日に衆議院本会議でも可決された。
 参議院に送られた「市民活動促進(NPO)法案」だったが、その時参議院では、介護保険法案、臓器移植法案、サッカーくじ法案などの法案が審議に入れないまま順番待ちをしている状況だった。また、平成会が審議入りに応じなかったこともあり、結局、そのまま継続審議となってしまった。

◆「市民活動促進法案」の内容は

 「市民活動促進法案」は、市民団体が従来よりはるかに簡単に法人格をとれるようにすることを目的としている。
 活動目的を12の分野(福祉、国際協力、環境、まちづくりなど)より選択し、10人以上の会員を集め、不特定多数の人の利益を目指してサービスを提供する団体ならば、都道府県や経済企画庁に申請すれば「市民活動法人」になれる、という内容だ。
 これにより、それぞれの団体が、行政などと契約がしやすくなったり、資産の保全や、社会的信用のアップとなることが期待される。
 市民活動がこれから発展していくためには極めて重要な法案となっている。
 昨年国会に提出されたときの与党案にあったような行政の管理色も、民主党と与党3党との共同修正でかなりなくなり多くの市民団体が受け入れられるような内容となっている。

◆臨時国会での法案の成否は

 この臨時国会で法案が成立できるかどうかは、正直にいうと半々の可能性である。
 一番問題なのが、佐藤孝行氏の総務庁長官就任・辞任問題と、泉井石油商疑惑で、国会が動かないことだろう。現在、衆議院、参議院のすべての委員会が止まっている状況で、いつどのような形で各委員会が始まるのか、目途が立っていない。
 現在、「市民活動促進法案」は、参議院の内閣委員会にかかっているが、いつ委員会がスタートできるかわからないのである。
 たとえ、参議院の内閣委員会がスタートできても、今度は、「市民活動促進法案」がそこでいつ審議入りできるかが問題となる。
 内閣委員会は、「市民活動促進法案」以外にも数本の法律をかかえており、この法案が後回しにされないともかぎらないからだ。
 「市民活動促進法案」の審議は、参議院内閣委員会で、2週間〜3週間かかるだろうといわれている。先の通常国会で衆議院を通過したとはいえ、国会のルールでは、1つの会期中に衆参両院を通過させなければ法律は成立しない。つまり、「市民活動促進法案」は、参議院を通過してももう一度衆議院で審議されなければならない。
 衆議院は、すでに一回通過しているので、参議院さえ通過すればそれほど時間はかからないとはいわれているが、やはり、こうしてみると衆参合わせると、余裕をみて1カ月くらいは審議時間と見ておいた方がいい。
 この臨時国会は、12月12日までなので、11月初旬には審議に入れないと赤信号が点滅することになるだろう。

◆市民のちからで早期成立を

 ポイントは早く審議に入れることである。
 そのために必要なのは、世論の力しかない。
 先の通常国会でも、審議入りが遅れた際に、早期の審議入り・成立を求める市民団体関係者の署名が1週間で700名以上、全国から集められ、その声は、国会議員を動かした。
 また、各議員に地元の団体から送られたファックスや電話は、この法案の優先順位を大きく引き上げた。新聞各紙も、社説で、法案の早期成立をなんども要請した。
 それがあって、一時は審議入りさえできないのでは、といわれた法案がともかくも衆議院を通過できたのである。
 この臨時国会でも、この法律を成立させることができるのは、市民団体関係者の熱い要望の声しかない。

 シーズでは、次の2つことを各団体関係者に呼びかけている。

1:「市民活動促進法案の早期成立を要望する要望書」へ署名を集めること。

2:地域から地元の議員に対して「市民活動促進法」を早期に成立させるよう、電話やファックス、手紙を送ること。

ぜひご協力をお願いします。


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