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意見・提案メモ |
![]() ※この意見メモは、今瀬政司の個人的意見であり、市民活動情報センターの団体意見ではありません。 ![]() (2005年9月12日(月)、今瀬 政司((特活)市民活動情報センター代表理事) 2005年9月11日に投開票のあった第44回衆議院議員総選挙後の感想・意見を述べさせて頂きます。 今回の総選挙の結果で、大手新聞各社やテレビ各局の報道では、なぜか、小選挙区について、政党別の議席数ばかりが流されていて、「有効投票総数・率(獲得票総数・率)」、ならびに、そこから分かる「死票数・率」に焦点を当てた報道が、今のところ(投開票翌日の9/12夜現在)、各社とも殆ど見られません。報道があったとしても、重要視しクローズアップした報道は殆どありません。(あくまで小生が知る限りですが。)政権政党がどこであれ、支持政党がどこであれ、支持政策が何であれ、今回の選挙結果を少しでも今後に生かしていくためには、単に小選挙区制という選挙制度の問題のみならず、本当の民意をはかり、政策に反映する物差しとして、市民の一票一票を積み重ねたこの投票総数・率とその中身、意味するところを重要視していくべきだと考えます。 僅かな票差で当選・落選となり、落選の民意が全く政策に反映されないで、切り捨てられるような政治と社会のあり様は、やはりおかしいと思います。「一人一人の市民の声」が少しでも多く政治・政策に反映されるようなあり様でなければならないはずです。なぜなら、それは、「市民一人一人が一票一票を投票した」からこそ、市民の代表としての議員が選ばれたのであるからです。投票前には一票一票が大事で、選挙後になったら議席数のみがすべてだ、というのはやはりおかしいです。今回、若者が政治に関心を持って投票者が増えたことがよかった、との報道がよくなされていますが、議席票・政権票になった一票がある一方で、死票になった一票については、議論すらされなくて、その声が切り捨てられ、生かされないとしたら、その一票を投じた若者の中には、投票しても意味がない、と思う者がかえって増えてしまうこともあり得るでしょう。次回も投票率が増えるとは限らないと思います。 社会や経済は多様化しているとよく言われますが、政治・政策は一様化していいんだというのは、矛盾しているように感じます。この後、国会が始まり、障害者関連の法案をはじめとして、多くの市民からの「もっと慎重に再議論を行うべきだ」、という声を振り切って、急いで可決成立しかけていた法案が(衆議院解散によって立ち消えになった法案が)、再び国会にのることになると思いますが、一人一人の一票一票の声を大事にする政治・政策のあり様が、今こそ求められていると言えましょう。 今回、比例区と共に小選挙区でも、投票総数・率での各政党比・与野党比は、議席数ほどの大きな比率差は出ていないようです(※)。報道各社は、単に「小選挙区制度の問題だ」、などと簡単なコメントで済ませるのではなく、市民の一票一票の意思(民意、声)である投票数・率とその中身について、もっともっと大事にし、緻密に調査・分析をし、クローズアップした報道に力を入れるべきだと考えます。そして、我々市民一人一人も、議席票になったか死票になったかに関わらず、「自分の投じた一票に誇りを持って」、胸を張って、今後の国の各政策形成に対して、主権者の市民として訴えかけていく必要があると思います。 今の政治・社会の仕組みとして、「議席数による政権・政策運営が現実だ」、「きれいごとを言ってもどうにもならない」、という捉え方もある意味確かではあるのですが、逆に今こそ、本来あるべき姿の「きれいごと」をみんなで大事にしていくべき時ではないか、と思います。それは、与党とか野党とかは関係ないと思います。選挙と民意(市民の意思)の関係を言うとすれば、政権政党がどこであろうとも、「議席数が民意ではなく、投票数が民意である、一票一票が民意である」と、(当たり前のことではあると思いますが)、あらためて訴えたいと思っております。 (2005年9月12日(月)、今瀬意見メモ) [※小選挙区(比例区)の自民党比率は、議席数比が73.0%(42.8%)に対して投票総数比は47.8%(38.2%)。] |
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